たけしの若手への一言(7)時間と信頼の関係
時間と信頼の関係
たまに、僕が、新卒で就職活動をしていた時の面接のときの話をすることがある。僕は、大学の頃は、遊び狂っていたので、面接のときにあまりまともに話すことがなかったのだけど、なんとかひねり出したのが、バイトでの出来事だった。
色々なバイトをしていたが、お店のオープニングから参加していた飲食店のバイトが面白かった。飲食店のバイトで、ショックな出来事があり、その出来事について、自分なりに考えて、行動に変えた話なのだけど、それが「時間と信頼の関係」についてだ。
飲食店の店舗の多くは、社員は少なく、アルバイトがほとんどで構成され、アルバイトの中に、リーダー的なポジションがある。僕がバイトをしていたお店も例外ではなく、オープンしてから暫くたった後、バイトの中でリーダーが選ばれたのだけど、僕は選ばれず、とある方が選ばれた。少なからずショックだったので、僕は、選ばれた彼と選ばれなかった僕とで、何が違うのかを考えた、というか、観察した。
彼は、店長の依頼があった時または誰かの依頼があったとき、直ぐに対応している。一方、僕は、対応はしており、ミスもしていないものの、直ぐに対応していない。つまりは、誰かの何かのタスクに対する回答速度と、誰かの自分への信頼の大きさは反比例の関係にある、という考え方だ。
自分が誰かに何かをお願いしたときのことを想像してみると、わかりやすい。例えば、一週間後までに提案資料を作成する、というタスクを渡されたとき、その日の夕方に提案資料ができていたら、その人への信頼度合は高まるのではないか?と。
そんな話を面接ですると結構評価が高い。このようなシーンは、仕事をしていると、そこら中にあって、そんな風に、早さを備えたメンバーがいたら、一緒に働きたいと思うものなのだ。
期待値と実績との関係
しかし、もう少し抽象化すると、「期待値と実績との関係」も考えることができる。誰かと、どんな仕事をしていたとしても、必ず、その仕事には、相手の期待値が存在している。その期待値を超えると相手は感動し、期待値にミートすると相手は満足し、期待値に届かないと相手は幻滅する。
「時間と信頼の関係」は、期待値の一つとして、スピードがあることを意味している。人生や仕事は時間的に必ず有限であるため、相手にとっての時間であり、スピードが期待値の一つである、ということはとてもわかりやすい。
しかし、時間やスピードだけでなく、相手の期待値として何があるか、を自分なりに見立て、その期待値を超えるために何ができるか、を考えることが必要なのかな、と思う。そんな風に、一つ一つの仕事に向き合い、期待値を超えていくと、自分の信頼は積み重なり、評価も機会も増加させることができる可能性が高まっていくのだと思う。