たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

「とにかくまずやってみる」と「オリジナリティ」の関係

落合陽一氏「日本再興戦略」。先のメタップスの佐藤航陽氏もこの落合陽一氏も30歳くらいですが、最速で生きているトップノッチな人材は、30歳くらいでもかなりのレベルに達するんだなぁ、という感覚を持たざるをえない。

「日本再興戦略」の感想

本のタイトルの通り、彼の専門領域であるテクノロジーだけでなく、政治や教育など、日本を再興させるために必要であると彼が考えている領域について、多面的に提言がされています。様々な知見を持ち合わせながら、それらを独立させて保有するのではなく、点と点を繋ぐようにメッセージを紡ぎ出しています。過去と現在と将来を分析した上で、戦略として日本のグランドデザインを提示しているということで、メッシュとしては方向性やコンセプトレベルで、では、それをどのように実現していくか、については、松下村塾Paypalマフィア等を踏まえつつの彼のラボにおける教育投資、意外については本ではほぼ記載されていなわけですが、十分な内容なのではないか、と思います。

特に、テクノロジーは専門領域ということで具体的で面白かったです。ピックアップされていたのは、自動運転と5Gが中心で、ロボットや貨幣通貨も。このようなテクノロジー関係については、IT業界の巨人であるマクロソフトやグーグル、IBMなどの先端研究所が、5-10年くらいのスパンで将来予測をよくしているのですが、それに近い内容で、とてもわかりやすい身近な例を利用して、遠い世界ではないよ、という風に工夫されたコミュニケーションをしているのが特徴的ですね。素晴らしいテクノロジーやアイデアも世の中の人に受け入れられないと意味がない、ということをよく理解しているのでしょう。

そして、良いなと思ったのは、ものづくり、をとても大事にしている点です。金融業界などは何も価値を生まずに金を横から横に流しているだけだ、とか、弁護士や公認会計士は本来シンプルな専門的な内容を複雑怪奇にわざわざして金儲けをしているだけで何も生んでいない、みたいなことが書かれています。それはそれで一定の意味はあると思うのですが、彼の言うことも理解できる部分があります。

「とにかくまずやってみる」

それらとも関係しますが、とても印象的だったのが、こちらです。Twitterでもつぶやかれていたみたい。

ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して、期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ。

偉そうだな、と思う方も多いのかもしれませんが、こんなことも書いています。

悩んでばかりでは意味がない。とにかくまずやってみる。その繰り返しの末にオリジナリティが生まれ、世の中を変えることができる。

僕のラボでは60プロジェクト、僕の会社では40プロジェクトが同時に走っていて、毎日ひいひい言いながらも走り続けています。言うは易く、行うは難し。考えているだけではダメです。とにかくやってみることからすべてが始まります。大外れするものもあれば、圧倒的にうまくいくこともあります。自らの道を選択し、迷いながらも手を動かすと、肌感覚としていろいろなことがわかってきます。

世界的な受賞・評価もされ、色々な提言もしているわけですが、一方で、大量の挑戦と、いくつもの失望を乗り越えてきている、という部分も垣間見れる文章。

この「迷いながらも手を動かすと、肌感覚としてわかってくる」、っていうのは、わかる気がします。なんでもいいからやってみると、自分に入ってくる情報の量が格段にあがってきます。その繰り返しの末にオリジナリティが生まれる、っていう考え方もいいな、と思いました。確かにそうかもしれません。

若い人もそうですが、何かに悩んでいる人たちにも、一読の価値ありです~