「わかるというのは誤解でよい」という前提
坂本龍一のサッポロ 大人エレベータ
色々な大人の方々が、エレベータのとある階で待たれていて、妻夫木聡と会話をしているCM。坂本龍一のバージョンが印象的でした。こちら。
で、少し調べてみると、クリエイティブディレクターは、タグボートの岡康道さんで、プランナーやコピーは同 多田琢さんですね。岡康道さんは、堤真一や深津絵里でドラマ化された「恋のチカラ」のモデルの方で、多田琢さんは、ケミストリー等の歌詞を書いている方で、広告業界では伝説的なお二人ですね。なるほど、と。
このCMは、トップクリエイターの価値観に迫る会話を妻夫木聡としているのですが、どこまでが本人からでどこからがコピーなのかが気になるトコロですが、恐らく、かなり本人の言葉なのでしょう。そこまでを引っ張り出すためのテーマ設定が、クリエイティブディレクターやコピーライターの力なのかな、と思います。
人が相手の人をわかることは、とても難しいこと
さて、上のリンクで見て頂いた中に、こんなことを坂本龍一が話しています。
わかるというのは誤解でよい
自分が伝えたいことを、カスタマーにわかってもらうことを期待していないで、好きか嫌いかで良いし、仮に、わかってもらう、とあったとしても、それは恐らく、坂本龍一が伝えたいこととしては伝わっていないことが多いのでしょう。でも、そんな誤解でよいのです、という話でした。
さすが、坂本龍一だなぁ、と。誰もが、伝えたいことが伝わることを志向するものかな、とも思いますが、そんなことを志向するわけでもなく、誤解でよい、という達観。
人が、相手の人のことをわかる、てとても難しいことですものね。坂本龍一の場合、音楽を使ってなので、もっと難しいことなのかもしれません。その難しさに思い悩むのも非効率で、誤解で良いくらいの前提として整理するくらいの方が良いのかもしれません。
そんなCMだったので、CMを見ながら、ちょっと留まったのでした。