たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

「いい」努力に関する経験知

この本はタイトルで買った感じです。「いい」努力って良いですね。当たり前ですが、良くない努力をしても、得られる成果はあまりないわけで、「いい」必要があるわけです。これは、シンプルなようで結構深いです。今回のエントリー以外でも、これから、ちょこちょこ書いていこうかな、と思っています。

さて、そんな中読んでみると、結構僕自身が既に意識していたことの割合が高かったのですが、3つほど面白い考え方があったので、ピックアップします。

  1. フロントローディング
  2. ステップバック
  3. 2・4・8・16に法則

耳に残るワーディングになっていますが、一つ一つ具体的に整理していきます。

1. フロントローディング

これは、きつい仕事を前に回す、ことを意味しています。プロジェクト全般でクリティカルなモジュールは前の方でやってしまって見極めるとか、とある日のタスクが沢山あるとしても朝の内に困難なワークをやってしまう、などのことを意味しています。

僕的には、ストロベリー オン ザ ショートケーキ、的な考え方を昔からしており、好きなコトは後に取っておくことが行動に装着されていたりします。本当の食べ物の時もそうだし、仕事だと楽勝な仕事は後に取っておいて、ワークロードが見極めにくいような大きな論点を早めに片づけておく、というようなことを意識しています。そのように早めに難しさを排除しておくと、精神的にも楽になり、残りの時間を過ごすのが気が楽になって好きなのです。

本書では、フロントローディング、という言葉を使っているのですが、改めて意識することになりました。本の中では、朝時間に難しい仕事を充てた方が、脳も冴えているし、メールや電話の邪魔も入らず、集中して、対応することができて良いよ、ということも書かれていました。全くその通りだと思います。

2. ステップバック

著者は、毎週日曜夜に、それぞれのプロジェクト、仕事の納期や作業プランを見直し、個々の仕事のカギとなる部分の仮説に書き落とす、ということを20年以上やっているということでした。

例えば、プロジェクトの初期に作成した作業プランがそのまま一日もずれないで消化していくことは稀でしょう。また、仮説も、初期仮説がどんどんアップデートされていくのは当たり前だと思います。そのようなアップデートを、週次で定期的に実施する、というのが、良い行動習慣だな、と思いました。油断すると、精度はどんどん下がってしまうので。

3. 2・4・8・16に法則

本書では、常に大きなクライアントを2社担当し、4つのプロジェクトをリードし、同時に、8つの将来のプロジェクトについてクライアントと協議していて、さらに16くらいの将来テーマを議論していることを目指して、自分の活動を計画、実行する、という考え方が紹介されていました。

コンサルティングワークではないワークにも十分に当てはめることができる考え方だと思います。ビジネスのオポチュニティの観点もあれば、能力開発的な観点もあると思いますが、要は、今目の前のことに精一杯やっているだけだと、今は良いとしても、今の次が開けず、継続的なパフォーマンスにつながらないよ、ということを意味していると思います。この考え方の適用についても、定常的にメンテナンスすることが必要かな、と思います。

おわりに

ということで、いい努力、に関する本。ここで紹介した三点以外にも、ベーシックなビジネススキルとして大事なことがいくつも紹介されているので、30代前後くらいの人にちょうどよいかなと思いました。タイトルにもしましたが、著者である山梨さんのマッキンゼーでの経験知が余すところなく詰まった本なのかな、と思います。ぜひお手に取ってみてくださいー。