たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

仕事をすることの頂(「お金という人生の呪縛について」松本大)

確か、MONEXを創立した時に、松本大氏の存在を知った。なんでも、35歳で、当時のSONYのCEOである出井さんを口説いて、出資してもらい、MONEXを創立した、と。そして、キャリアを見てみると、外資系金融機関を渡り歩き、世界最年少でパートナーに上り詰め、所属企業の上場に伴い莫大な利益(10億以上)を手に入れる予定だったのを蹴って、MONEXを創立した、とのこと。カッコよすぎるし、凄すぎる、と当時思ったものだった。

 

過去にも、何冊か本が出ていて、読んだりしていたのですが、久し振りに本が出ていたので、読んでみました。タイトルは、なんだか難しい話なのですが、タイトルに関する記載も勿論あるのですが、基本的には、彼の仕事観や仕事術について書かれています。

 

幾つか、ひっかかった点について、本書から引用・加工しておきます。

  • 仕事の優先順位方法
    • 優先順位をつけることなく、思いついたところから手をつけていく
    • 慣性、あるいは勢いやノリがあるかどうかで仕事の処理スピードは極端に違ってくる。優先順位を考えているだけでは慣性は働かない
    • 目の前の仕事を片付けているうちに、どんどん勢いがついてくる。それが仕事の効率を更に上げ、気がつけば随分先に進んでいる
  • 仕事の整理法
    • 仕事の整理法を考えたこともないし、仕事を効率的に終わらせて早く帰宅しようなどと思ったことはない
    • 時間の効率を考えないわけではないが、今まで2時間かけてやった仕事が1時間になれば、あとの1時間で別の仕事ができる。あくまで、効率とは、より長く、より沢山の仕事をすることにある
  • 仕事は直列
    • 目の前にある仕事を「嫌だな」と思うことはある。しかし、それ以上のことはなく、難しく考えない様にしている。この仕事が嫌いだと思う時間がもったいないし、嫌いと考えると出力が一気に下がる
    • 仕事はシーケンシャル、すなわち直列に並んでいる。どんなに小さな仕事でも、どんなにつまらない仕事でも、仕事は直列に並んでいるので、その一つひとつを順番にこなしていかなければならない
  • 仕事は少ない人数でやる
    • 単位時間当たりの経験値を増やせば、全体的な経験値も増える。だから、仕事はできるだけ少人数で回した方が良い
  • 一日を20時間だと思う
    • 仕事のある日は一日ほぼ20時間を仕事に充てている
    • 有限な時間を有効に活用するにはとにかく長く働くしかない。10時間働くところを9時間にしてしまったら、結果的に私の「出力」は10%落ちてしまう。それは、「私」の能力が10%落ちたのと同じこと
    • 一日20時間を仕事に使い、さらにその20時間で処理できる仕事を増やしていけば生産性はどんどんあがっていく

 

ちょっと引用・加工が多くなりました。一般的な人の一般的な仕事の仕方、もしくは、仕事術やら何やらの本に出ている内容と真逆の内容が結構あったりして、超一流の人の仕事観や仕事術て、突き抜けているな、と思いますね。

 

上記の内容は、本書の中から良いなと思った点なのですが、仕事は直列、と、一日を20時間だと思う、が特に良いなと思いました。

 

結局、仕事はブレイクダウンをしていくと、幾つかの分岐や分担がなされることにはなるが、基本的には、一つひとつのタスクが直列に並んでいて、それらを一つひとつ片付けていかないと目的を達成することができない。しかしながら、多くの人は、嫌な仕事があると、出力が落ちたり、他の仕事に手をつけたりしてしまう。そうすると、仕事達成の速度が落ちてしまう。だから、とにかく、目の前の仕事を片付けて行くしかない、と腹をくくって、嫌だ好きだ等を考える余地もないくらいに、仕事に没頭すべし、なのですよね。

 

一日20時間の仕事は・・・なかなかできないですね。せいぜい16-18時間だと思うんだけど、松本大氏は20時間フルに仕事をしている、とのこと。移動中も電話で仕事、1分の隙間時間にも1分でできる仕事(普通5分とかの例を出すものだと思うが・・・)、出張中は昼は現地で仕事、夜は時差を利用して電話会議やメールで仕事(多分20時間を余裕で超えている)。しかし、こういったトップノッチな方が、他の追随を許さない量と質で仕事をしているのだから、もっともっと仕事をしないといかんな、と思いました。

 

超一流の仕事観や仕事術を垣間みたい方、そして、仕事の仕方に課題感のある方、または、仕事は順調に取組んでいるが更なる高みに行きたいという向上心をお持ちの方は、ご一読下さいませ。