たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

デザイン思考の良い入門書(21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由)

タイトルでは、デザイン思考に対するWHYにフォーカスされているのですが、勿論WHYもあるのですが、WHATやHOWに関する記述も多く、デザイン思考に関する全体像をまず理解する、ということを目的とした時の入門書として、良い本かな、と思います。とても、具体的に書かれていて、この一冊で、概念としては理解できるのは勿論、実践に円滑に移行することもできるのかな、と思います。

僕自身は、10年くらい前に、UCD|HCDといった商品開発プロセスに一度浸かったこともあり、新しい発見があるというよりかは、このデザイン思考について、全体感として整理する意味で、この本は良かったかな、と思いました。でも、大部分の人にとっては、ビジネス思考であったり、UCD|HCDのような方法論については初耳、という人が多いことでしょう。

そういう意味で、著者が、P&GやSONYでビジネスサイドにどっぷり浸かった後に、イリノイ工科大学に留学し、その後SONYで実践した経験を元に書かれている内容なので、初めて、デザイン思考に出くわした人にとって、とても易しい内容、入りやすい内容になっているのかな、と思いました。

一方で、方法論としての要素がやはり強いので、で、デザイン思考でどういうのができるの?といった次の段階については、こちらの本を読むと良いかな、と思います。どちらにせよ、本に書かれている様に、デザイン、てのが今後の経営においてキー、となるのは異論の無い所ですね。

そういえば、一個、書評も書いてました。佐藤オオキは最高ですね。

takeshikarei.hatenablog.com

売れたドラマは、時代を創っているようでいて、実は、時代にのっている

月9「恋仲」が苦戦している理由

月9の「恋仲」が苦戦しているようですね。僕も、第一回は全て見ましたが、第二回以降は見ていません。なぜ、見なくなってしまったのか?理由を上げてみるとこんな感じでしょうか。

  • 特徴が無い
  • 役者が下手
  • 時代遅れ

随分あっさりと書きました(笑)。でも、あっさり書ける様な理由なのですよね。

どこかで使い古された様なトピックスが織り込まれていて、このドラマ固有の特徴が見当たらないのですよね。そして、本田翼が実に下手で、ドラマの流れが分断されるように感じさせられます。また、時代遅れなのですよね、父親の仕事が失敗して、夜逃げして、その後、三角関係の男の子の一人の親がお金を貸す、とか。ということで、見たい見たい見たいぞ!てことにはならないわけです。

 

月9の競合は、無数のwebコンテンツ

最近のヒットドラマは、強烈なインパクトを与えて、もう一度見たいと思わせる様な創りが多いですよね。半沢直樹やリーガルハイ、デート、などなど。特徴的なセリフやキャラクター、掛け合い、と種類は様々なのだけど、そのインパクトは、他のメディアでもなかなかないのですよね。

そう、今のテレビドラマには、競合が多すぎる。月9の時間帯にも競合が無数にある。勿論、webコンテンツという競合だ。これが厄介なのは、一人一人それぞれの興味に対してミートしたコンテンツが、その時間帯にそれぞれ存在しているからだ。月9は、そのコンテンツに勝る魅力がある必要がある。

 

時代を創るのではなく、時代にのる

仮に、いま、「ロングバケーション」があったら、「東京ラブストーリー」が月曜9時に放送されていたら、売れるか?と問い立ててみると、勿論、NO、と答えるだろう。なぜなら、時代が違うから。見ている人が変わるから。でも、ど真ん中のラブストーリーで勝負しても、売れるドラマがあったりするとは思っています。

結局、売れたドラマは、受け手のニーズをうまく掴んでいるわけですよね。丁寧にニーズを捉え、ドラマの中に盛り込んでいる。要は時代にのった。一方で「恋仲」は、売れたドラマの断片を切り取って、創ろうとしている。受け手のことを見ていない。

考えてみると、「恋仲」は誰が見るのだろうか?25歳前後の女性?F1ど真ん中?!としたとき、本当にこのようなコミュニケーションの仕方をするのかね?!というリアリティの無さが続く感じ。誰が見るのかわからないドラマ。

もっと誰が見るのか、誰がドキドキするのか、そうさせるリアリティって何なのか?それを考えないと、数字がとれるドラマは創れないのだろうな、と。そんな風に、ドラマニアのたけしは思ったわけです。

 

妖怪ウォッチは人気を保ち続けることができるのか?

結論から言うと、NO。今週の新しいシリーズを見て、思いました。ドラえもん等の様に世代を超えて、人気を継続させることができないコンテンツなのだ、と。

 

妖怪ウォッチの人気は落ちていくだろう

昨年末の映画で、初週週末の来場者数の日本映画記録をつくったのが懐かしいですが、少しずつ、今のコンテンツに飽きがきています。年頃の子供を持つ親御さんは薄々感じている所でしょう。相変わらず、クロスメディア戦略は続いているし、ライセンスビジネスも幅広くて露出は多いわけなのですが、昨年末に比較すると、衰えは感じざるを得ないかな、と。

そんな中、少年が主人公である現ストーリーに加えて、女の子が主人公である新ストーリーが始まる話を聞いたのは、一ヶ月くらい前。なるほど、レベル5は打ち手が早い。飽きが明らかに顕在化する前に、新しいストーリーを追加して、カスタマの興味関心を維持しようとしたわけですね。

さて、その新ストーリーを今日息子とビデオを見て起こったこと。つまらない。息子の反応の薄さ、というか、ほとんど反応がなかった。面白くない、という発言もでる始末。これは、アカン、やつです。途中で見るのを辞めてしまいました。はてさて、これは、どういうことなのだろうか。整理してみると、こんな感じかな、と。

  • 新しいストーリーの追加は危険。今までのストーリーやキャラへの認知等のアセットがリセットに。新しいアニメを初めて、人気を取るのと同じ難しさ
  • そして、そのストーリー構成に無理がある。妖怪ウォッチなのに、妖怪なのに、宇宙の話っていう無理さ。別の基軸を出したかったのだろうが、バランスが悪すぎて混乱。ストーリーに入りにくい
  • 主人公がオタクってどうなのか、と。オタクしゃべりは、普通にイラつくレベル。元々は普通の男の子が主役だったので感情移入しやすかったが、これはしにくい

新しいストーリーの追加は、てこ入れになるどころか、培ったアセットを捨て去っている。もったいない打ち手です。(現ストーリーは終わったわけではないので、一応リスクヘッジさせていて、新ストーリーの人気が立ち上がらなかったら、現ストーリーの比率を高めて、元に戻していくみたいなことはするのかもしれないですがね。)

で、新しい妖怪ウォッチということで、これまでのメダルでは反応しないモデルを売り出すようで、親としては、また何度も同じ様なモノを買わせるのか、と溜め息です。このような施策を、このコンテンツであり玩具会社は、今後も何度も何度もするのか、と。これを機に、妖怪ウォッチから距離を取らせる人は多いのではないでしょうか。

 

世代を超えて人気を保つ方法

それにしても、世代を超えて、人気を保ち続けるのは難しいですね。ドラえもんピカチュウ等が最たるものですが、恐らく妖怪ウォッチは難しいでしょう。そのようなキャラクタにはなれない。そもそもこのように、新しい主人公で新ストーリーをつくるのは、自ら白旗を上げているに近いですよね。仮に今の新ストーリーが人気が出たとして、また人気が落ちたら、また新ストーリーをつくるのか、という話であって、それを繰り返すことで世代を超えて人気を保ち続けることはとても難しいし、それは、人気を保っていると言いにくいと思うからです。

人気を保ち続けるためにどうすれば良いか?全く異なる業界の話ですが、セブンイレブンが参考になるのでは、と思っています。セブンイレブンは、同じ商品でも継続的に改善を重ねて、カスタマが飽きない様に、すこしずつ味を変えているのだそうです。コンビニの食べ物だけではなくて、子供向けコンテンツも同じなのではないかな、と思うわけです。要は、新ストーリーを加えるのではなくて、カスタマが飽きない様に、元々のストーリーを 丁寧に改善していくべきだった、と。

ということで、半年も経てば、どんな結果になったかわかるでしょう。どんな結果になっているでしょうかね。楽しみに待ちたいと思います。