香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛が、これから成功していく理由
ジャニーズ事務所を退所して直ぐの早業
少し前に、香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛がジャニーズから退所するニュースが出ていましたが、それほど時間が経たずして、新しい事務所で新しいファンサイト「新しい地図」が始まり、Twitter、Instagramでも同時に開始し、わずか3日足らずで、フォロー人数は20万人を超えている。
そして、16年間続いたSmaStationが、香取慎吾のジャニーズ事務所退所に伴い終わってしまった余韻も冷めやらぬ間に、11月の三連休に、AbemaTVで、三人の3時間生放送の広報もされた。三人それぞれが、Instagram, Blog, Youtubeをやるっていう企画もセットでだ。そして、Twitterでは三人とも、Instagramでは先述の企画の担当の香取慎吾がアカウントを同時に作っていて、わずか1日程でフォロー数がどれも10万人を超えている。
ジャニーズ事務所にいた終盤では、レギュラー番組がいくつかで、CMもなくなっていて、私たちに届く彼らの情報は少なくなっていっていたが、一気に彼らから目が離せられない流れが出来上がっている。
香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛が活躍できる事業環境になっている
一つの考え方として、ジャニーズ事務所から独立する三人は、ジャニーズ事務所の圧力により、開店休業状態になるし、それは、三人も理解していて、ある程度の期間は干された形になり、彼らの露出はかなり減るのではないか、というのがあったわけですが、ジャニーズ事務所が力を入れないネットや、活用がNGのSNSをフルに活用していっていこうとしているのは、さすがな展開。
そんなニュースを見て思うのは、SMAPの価値がすごいということ。ジャニーズ事務所では年間200億を稼いでいたというが、日本全国老若男女、5人の名前をフルネームでしっているユニットは他には存在しない(嵐はセグメントが限られている)。人々への認知が既に取れていることに加えて、キャラがたっており、話題となる強みが沢山あり、企画を立てやすい状態が既にあるということ。3人は独立して、ジャニーズ事務所の後ろ盾はなくなったわけだが、25年以上培ったアセットはこれからも使えるわけだ。
一方で、これまでジャニーズ事務所での活動の中心となったテレビ、での活躍は一定期間はやはり難しいのだろう。古くからの慣習が根強く残った業界で、ジャニーズ事務所の圧力を避けることはできないと思われるからだ。キー曲は、ジャニーズ事務所のタレントを沢山利用しており、これからも利用することを考えると、ジャニーズ事務所のご機嫌を取らないわけにはいかない。
しかし、この3人にとって良かったのは、彼らの事業環境が変わってきている点だ。テレビの力は相対的に減少し、カスタマが使う時間量は減少し続けている。そして、先のAbemaTV、Amazon Prime、hulu、Netflix等のテレビではないネットテレビが力をつけてきている部分が大きい。これらのサービス事業者は、外資も内資も色々だが、どちらにせよ投資フェーズであることを考えると、SMAPの認知度を活用して、一緒に企画をすることで、ユーザーを拡大したいと考えるのは至極当然のことで、3人には追い風。
一方、テレビ局と密接な関係を持つジャニーズ事務所は、これらのネットテレビの会社とはあまり近くない距離感なので、ジャニーズの圧力を受けることは少ない。吉本興業は、Amazon Primeで松本人志が、Netflixで明石家さんまがCMをしており、企画も進めている点とは好対照。吉本は、エンターテインメントの事業環境変化の兆しを嗅ぎ分けながら、儲けを最大化しようとしているのとは異なり、ジャニーズは古いビジネスをし続けているとも言える。これが、3人にとっては機会であり、ジャニーズ事務所に強みがある領域の力が弱まり、そうでない領域では力を発揮できないので、そこで活躍すればよい。そこには、既に沢山のカスタマが存在しているのだから。
ちなみに、業界の中で、どこまでジャニーズの力が及ぶのかは、業界人ではないので推察でしかないが、テレビ局はやはり難しくて、番組やCMにでることは当面難しいように思うが、しかし、これまで培ってきた業界のネットワークは結構使えるのではないだろうか。要は、ブレーンとなる放送作家やクリエイティブな人材たちが大事だと思うのだが、これらの人は、弱肉強食の世界で生き残る上で、ジャニーズとだけ仕事をする人は少ないだろう。まあ、ジャニーズ事務所お抱えの放送作家はいるのだろうが、3人が活躍してきた領域で培ったネットワークを考えると、むしろジャニーズ事務所お抱えではない優秀な放送作家や企画事務所との関係の方が多そうだ。先のAbemaTVの企画はかなりシャープな企画なので、鈴木おさむか、出資元であるテレビ朝日の名物プロデューサーが噛んでいる可能性が高いように思う。元々SMAPのチーフマネジャーら自体、面白い企画をどんどん繰り広げてきたわけだが、3人のバックにいるマネジャー陣とこれまで一緒に仕事をヒットさせてきた外部のクリエイティブ陣が手を繋ぐことが続けられれば、世の中に面白いコンテンツを今後も提供していけるだろう。そのようにして活躍していければ、CMもつくし、テレビ局での活躍も開けていけるだろう。三人の事務所の出資元でテレビ局が入っているのは、そんな少し先を見越してのことだと推察される。
SMAPはイノベーターだった。そして、今は、3人がイノベーターだ
元々、SMAPはジャニーズのイノベーターだった。SMAP以前は、歌を歌ったり、少しドラマに出る程度がジャニーズ事務所だったが、バラエティ番組をやったり、料理をやったり、コントをやったり、司会もやったり・・・色々なことに挑戦し、話題を振りまいてきたし、ヒットを飛ばしてきた。SMAPの5人は勿論、この3人の一人ひとりを振り返っても、ドラマ基点もあればバラエティ基点もあるが、沢山のヒットを飛ばしてきている。なぜ、このようなヒットを飛ばしてきたか、というと、彼らが挑戦を続けてきたイノベーターだったから、なのだと思う。
SMAPは、デビュー当初は売れなくてピンチから始まって、元チーフマネージャーとSMAPが必死に挑戦し続けて、いまのようなポジションを築き上げた。今回も、ジャニーズをやめて、一見するとピンチなわけだが、これまでのアセットを活かしつつ、事業環境を踏まえて、挑戦していってくれるのではないか、と思わされた数日だった。うまくいくこともいかないこともあるだろうが、絶対に成功をもぎ取って欲しいなと思う。
さて、あとの二人はというと、どうなるのでしょうか。木村拓哉は、ジャニーズ事務所という組織や、芸能界の古き慣習にしがみついているだけなので、もはやイノベーターではなく、期待していません。SMAPの解散云々の前から、年齢を経ることを上手に自分に取り入れていけるタイプでもなくて、実は、木村拓哉こそが、SMAPというグループの価値の恩恵を受けていたのだと思いますが、まあ、このくらいで。
一方、中居正広は、どうするのでしょうか。幾つかの記事を読むと、何を考えているのかわからない、とあり、先の3人にカバンをプレゼントした、という話も含めて、僕的にもよくわからず、推察すら難しいなと思います。エンターテナーとして百戦錬磨な彼ですが、僕の期待としては、3人にジョインしてほしいな、と思います。やはりジャニーズ事務所のエンターテインメントは古いわけで(だからこそ鉄板で安定はありますが)、ジャニーズ事務所自体は、今後もテレビの世界でやっていけばよいと思いますが、中居君的には、もはや頂点を極めているわけですから、あとの余生をそのままやっていくのではなく、エンターテインメントとしての挑戦を、先の3人としてもらいたいな、と思います。