強さは、何から生まれるのか? (羽生結弦)
男子フィギアスケートで、金メダルをとりましたね、羽生結弦さん。女子ならともなく、男子は全く穫るなんて思ってもなかったから、とても驚きました。
実は、彼は初めて見ました。専門的なことはわからないのですが、しなやかで美しい滑りをする人だな、という印象。ジャンプで失敗しての金メダルなので、他の選手がミスしたのもあるのでしょうが、演目自体がとても難しい内容だったのでしょう。
それにしても、か細くて、やさしい顔立ち。そんな彼のインタビューを受けている様を見て、考えさせられたのが、こんな華奢な彼が、なぜ、強いのか?というトコロ。
結論としては、挫折が彼を強くさせた、というモノ。インタビュー等でも話がされていますが、東北大地震の影響が強いでしょう。誰もが最大限の努力をしているわけです。最大限の努力から一歩出るのは何か?ひょっとしたら才能かもしれませんが、才能は努力とセットなわけで、努力で一歩でるかが重要だと思います。
そうしたとき、もし、地震がなかったら、彼が金メダルを穫ることはなかったのだと思います。地震によって引き起こされた状況を、自分ではいかんともしがたかった。だから、スケートに力を注いだのだと思います。
「挫折」が、人を強くさせる。彼を見て、そんなことを考えていたときに繋がったのが、田中将大とイチロー。
なぜ、田中将大は、昨年日本記録を大きく塗り替えるくらいの連勝を続けることができたのか?それは、甲子園の決勝で負けた、という挫折があったから。松坂大輔と田中将大の違い。それは、甲子園の決勝で勝ったか、負けたか。その挫折がないか、あったか。挫折は、人を謙虚にし、努力を駆り立ててる。もし、田中将大が甲子園の決勝で勝っていたら、今の田中将大はいなかったということ。
イチローは、一見挫折知らずなスーパースターに見えるかもしれない。しかし、4,000本安打を放ったときのインタビューから、そうでないことを教えられる。
4000本のヒットを打つために、8000回以上の悔しい思いをしてきている。その中で、常に自分なりに向き合ってきたという事実はある。誇れるとしたらそこではないかと思う
自分に対して大きな期待値があるからこそ、毎日小さな挫折に出会うことができる。毎日、その挫折に向き合い、乗り越えてきたから、今のイチローがあるわけだ。
大きな挫折も小さな挫折もある。挫折なんていらないと思うかもしれない。しかし、その挫折に真摯に向き合い、乗り越えることが、強さに繋がるのかもしれない。そんなことを、羽生結弦さんの金メダルをみながら、思ったわけです。