たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

好きを大事に (「好き嫌い」と経営)

楠木健さんの思考回路は相当好きな部類。恐らく僕も同じ様な思考をしているのでしょう。そんな楠木健さんの新著がこちら。 

著名な経営者との対談で、経営者の「好き嫌い」にフォーカスした内容。経営の意思決定然り、自ら創り出すビジョンや戦略然り、結局は、その経営者の「好き嫌い」に依存するよね、という考え方から。この考え方にもとても共感。

勿論、多面的な人材から、多面的なインプットがあって、論理的なアプローチで経営はなされていくだろう。しかし、その戦略と紐づく組織を貫く方針等については、経営者のパーソナリティが色濃く出てて、それは、その経営者の「好き嫌い」が基点。

で、対談相手の経営者が、くせ者ばかり。永守重信、柳井正、原田泳幸、新浪剛史、松本大、大前研一・・・。半分弱くらい僕の好きな経営者だったりする。そんな彼らの「好き嫌い」。とても興味深い内容だった。

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ということで、せっかくなので、5つの「好き嫌い」をピックアップ。 

気分が乗って仕事をするのは、大変なクライシスをチャンスに向けていくとき(原田泳幸)

最も共感したのが、この考え方。平時は嫌い。面白くない。ヤバい状況が好き。その状況に果敢に向き合い、ポジティブな状況に変えていくプロセスが好き。そのプロセスの時間は平時の何倍も濃密で、ハイプレッシャーでストレスフル。それは、自分のメンタルやスキルを引き上げるのに十分な状況。そのヤバい状況を乗り越えたときの一瞬の開放感てヤツも。僕も好きです。

始末せえ(永守重信

「始末」という言葉。僕はちゃんと認識していなかったようです。「始末」とは、必要ではないところには全くお金を使わないということ。永守さんの拠点である京都では、始末せえ、と言われて育つらしいですね。京都っぽいかもしれない。だから、自分が価値を認めないものにはお金を費やさない。それほど無駄なことはない、という。

とても共感です。ケチではなくて、始末。例えば、同じ価値のモノについて、100円で買える場合と50円で買える場合がある。その差は、気を使えば解決できるレベルの利便性。勿論、50円で買う。何かを買う時には、本当にそれを使うのか、自分が欲しいのか、と1年後をイメージしてみて、買うか買わないかを決める。そんな小さな意思決定を繰り返して、自分のお金と時間の有効活用をはかる、という考え方。僕も好きです。

複雑なことを簡単に理解させる(原田泳幸

要は、シンプルにする、ということ。なんだか、難しいことを難しく話して、わかりますか?という人っている。それは、かなりイケていない。誰でも理解できるように、シンプルにしていく。ココシャネルの言葉も好きなのですよね。「世界は毎日単純になっていく」。この価値観に基づいた思考で毎日を過ごす人とそうでない人って、大きな違いだよね。僕も好きです。

政治的な駆け引きをする人は嫌い。既存のポジションをめぐって椅子取りゲームをする人より、自分で場所をつくって、稼いじゃう人が好き(松本大)

僕の価値観として、せこいよね、と思ってしまうのですよね。小さくまとまっちゃてる感じ。政治的な駆け引きとか、椅子取りゲームの前提って、成長の概念がない、感じなのよね。だから、限られたパイから、如何にとろうかていう小さい話になっていく。だから、自分が、成長させて、その成長させた分は自分がもらうよ当然。という考え方の方が断然良いよね。僕も好きです。

勝負事だから、商売が好き(柳井正)

アスリートと一緒だよね、て話もある。時間と集中度で結果が決まる、毎日仕事をすることは、アスリートが毎日練習をするのと同じ。そんなことも書かれているのだけど、その考え方にも共感。

勝負で勝つためには、勝つためのプロセスがあって、そのプロセスの一つひとつにちゃんと継続的に取組んで、積み重ねなかったら、なし得ないわけで、その考え方を凝縮した点もあるのかな、ということで結構良いと思った。僕も好きです。