たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

選択と世界(「アイデアの直前」岡 康道)

昔、「恋ノチカラ」というドラマがあって、結構個人的にヒットしたのだけど、その主役にはモチーフとなる人がいて、それが、岡康道さん。

電通から飛び出して、タグボート、という日本では珍しいクリエイティブエージェンシーを創り出した方。ドラマ発で彼のことは気になって、何冊か本を読んで、ちょっとしたヒーローだったな、と。日藝にかよっていた友達のコがいたのだけど、日芸で講師か何かで彼が授業をしていて、授業中にタバコを吸っていて、それがすげーカッコよかったみたいな話がそれを助長してたりしたのでした。

そんな昔話もある中で、久し振りに本屋で色々と手に取っていた中で、この本を見つけて、久し振りに読んでみた。正直なトコロ、学生だか新卒周辺の頃に読んだのと比べて、自分も色々な経験をして、色々な情報を得てきたせいか、あまりnewな情報がなかったのだけど、この文章は良いな、と思った。

誰からも特に何も言われない選択。これが僕たちを取り巻く世界をつまらなくしている。

多分、僕も、どちらかというと、誰かから何かを言われる選択をしているのかな、と思う。まだまだ、言われる量が甘い様な気もするけど、そんな選択をしている方かな、と。

誰からも特に何も言われない選択。センター試験で正解が多い、ようなイメージですかね。まあ、正解が多いと良いわけだけど、別に面白いわけでもなんでもないわけで。でも、それを良し、とする風潮は多いし、そんな選択がそこかしこに積もっていくと、世界はつまらなくなるのかもしれない。で、その選択をした人自体がつまらなくない?とも思いますが。

では、誰かから何かを言われる選択、てなんでしょうか?僕が思うのは、そもそも選択の機会を創っていて、誰かが選択するような選択肢を選ばない、ということ。つまり、選択肢自体も創っているわけなのですよね。それって。

電通を辞めて、ある種、電通の敵にもなったわけで。そんな大きな選択をして、その選択を正しくしてきた、彼だから、そんな文章が出てきたのかな、と思うとともに、読んでいて、ひっかかったのでした。