たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

土曜昼下がりの原宿は、一人の男でつながった (「ミーハー仕事術」中村 貞裕)

学生時代から新社会人時代まで、代官山から新宿までを一日かけて歩いて、数多あるオサレショップを散策していて、その多くを、渋谷-原宿の明治通りと裏原宿で過ごしていたが、この1−2年は原宿には全く訪れていなかったようだ。

とある土曜の昼下がりに、久し振りに原宿周辺にいったら、知らない建物とか出来ているし、知っているお店も他の場所に移動していて、あ、やべ、オレ、ついていけてない、みたいな。まあ、原宿のターゲットセグメントからは外れているよね、オレ。と言い聞かせをしてみたり。

そんな中、特に印象に残ったスポットが二つ。一つ目は、「東急プラザ表参道原宿」。エントランスのインパクトが大。明治通り原宿の新しいランドマークになっている。

 

 

そして、もう一つは、「Egg Things」。パンケーキのお店。表参道から裏原宿に入ってちょっとしたところにあるのだが、表参道で既に50-100mとか並んでて、全部で150-200mの行列が。この暑い中、よくそんな並ぶなー、と。

 

---

これらの印象深かった二つの新しいスポット。実は、一人の男で繋がっている。それが、Transit General Officeの中村 貞裕である。外苑前や代官山にある「Sign」を創った男と言えばわかりやすいだろうか。「東急プラザ表参道原宿」には直接的に企画で関与しているし、「Egg things」は、そもそものパンケーキのトレンドを創ったbillsを日本に導入しており、間接的に関係していると言える。私が印象深く感じたスポットは、彼がデザインしたモノであったわけだ。

そんな彼の本が、こちら。タイトルの通りで、なかなかユニークな内容になっている。昔から超ミーハーな私としては、非常に共感する箇所が多いのだけど、特に面白いと思ったのは、この二点。

 

彼はトレンドを創っているわけだが、スペシャリストではなく、ジェネラリストである。何かの専門性(例えば、空間デザインとか)を持っているわけではないのだが、

  • 時代を捉えるコンセプトデザイン
  • 広範なネットワーキングから実現可能である各領域のスペシャリストからなるチーミング
  • コンセプトを具現化する段階での全体のディレクション

といった所で尖った能力を発揮し、新しいトレンドを次々に創っている点。

もう一つは、時代の先を行き過ぎない、ということ。先の一つ目にある時代を捉えるコンセプトデザインに関連することだが、時代との距離感を見極めたコンセプトの設定が大事、ということ。何かを掘り下げていくと、ユニークなのかもしれないが、マニアックになっていって、時代・大衆から離れてしまう。この距離感の見極めは、相当難しいトコロだが。