たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

異動でパフォーマンスをV字回復させる (野村再生工場)

少し前に、前の上司と飲みに行った時の彼の話が面白かった。人事方面の話で、いかに組織を強くするか?というお話。

 

組織を強くする、逆張りの人員補充の考え方

普通に考えると、優秀な人を他の部署やら採用で補強して、といった話になるだろう。でも、その難易度は高い。優秀な人は、その他の部署で、優秀であるが故に評価されていて、その部署が手放す可能性は低い。採用も、さぁ、採用して、というのは簡単だが、積極採用モードでもない限り、採用の実現性もそこまで高くない。

で、彼の打ち手として話していたのが、野村再生向上的な話。他の部署でくすぶっていて、そこまで評価されていない。しかし、その人を自分の部署に引っ張ることで、パフォーマンスのV字回復をさせる。という考え方。くすぶっているから、危機感がある、しかし、向上心もある状況。そこに、異動という機会を、一定の危機感を植え付けながらも、ポジティブな機会にさせる、というもの。

 

パフォーマンスがあがっている、は必然的状況でないことが少なくない
パフォーマンスをあげる、というのは当人の能力もあるが、環境の影響も大きい。例えば、上司のマネジメントのスタイルや、同僚の中での自分のスキルポジション、自分に課せられたミッションとスキル・経験とのマッチ度・・・パフォーマンスがあがっている、の構成要素のそれぞれがズレを生じると、パフォーマンスは上がらない。

例えば、そもそもの仕事に対するマインドセットのベース、様々な経験を積み、様々な再現性のあるスキルを身につけていれば、どの部署のどのポジションでもパフォーマンスをあげられるだろう。新しい環境を攻略するスキルを持っていれば、言わずもがな。

でも、そういった経験やスキルを持つ人は、実はそれほど多くないのかもしれない。転職で成功する・失敗するというのを客観的に考えたときに、近しい話になる。

 

野村再生工場の成立要件

野村再生工場的な人員補充。勿論、これはこれで運用が難しい。異動させることで、ちゃんとV字回復するかどうかはわからないからだ。

まずは、当人に関する見極め。さすがに、誰でもV字回復はしない。自分との接点からの一次情報、知人経由の二次情報等、得られる情報は限られるが、それらの情報から、V字回復するポテンシャルを見極めないといけない。

加えて、実際に自分の部署に異動してきた後に、V字回復させるためのマネジメントの方法論。異動という機会だけで、V字回復することもあるかもしれないが、その確度をあげるためには、所謂マネジメントの巧拙が出るところ。先述の様に、危機感の醸成や、早い段階でのクイックウィンを重ねさせることによる自信の醸成、更には、スキルマップにおけるミッシングパーツの早期補充、等色々あるだろう。

これらのスキルは、再生工場の運営を続けて行くなかで、再現性を担保していかないといけないのかもしれない。

ということで、優秀な人が欲しいよ、というのは誰でも言えるわけで。違う方法で自分の組織を強くするためにはどうすればよいか?という考え方として、結構面白い話かな、と思ったという件なのですね。