子どもの人気と、クロスメディア戦略 (「妖怪ウォッチ」テレビ東京)
最近、3歳の子どもの最大関心事は、ウルトラマン。朝起きてから夜寝るまで、ウルトラマン。なのだけど、GW中にずっと一緒に過ごしていると、100%ウルトラマンであるわけでないことに気づいた。他の子ども人気キャラにかける時間も30分とかはあるようだ。
その一つが、妖怪ウォッチ。数週間前からだろうか。子どもが友達と遊んでいる中で、妖怪ウォッチの話も出てきていたことは憶えていたが、そこまで関心を置いていなかった。で、GW中に金曜夜6時半になったものだから、一緒に見てみた。
見始めて、直ぐに気づいたのが、企画が、レベルファイブ、であるということ。
なるほど、そういうことか。ということで、イナズマイレブンと同様に、ゲームとテレビを中心としたクロスメディア戦略のコンテンツのようだ。CMを見ていると、妖怪ウォッチのおもちゃもBANDAI等から随分出ている模様。2013年の7月からスタートなのにも関わらず、子どものトピックスで何気なく出てくるレベルだけに、かなりの市民権を得ているようだ。番組で流れている曲とかも、憶えやすくて、つい口ずさんでしまう感じ。振り付けまであって、子どもたちで一緒にやってしまう風景が目に浮かびます。
それにしても、このクロスメディア戦略というのは、成功すれば、ゲームもテレビもおもちゃも、全てに対して、大きな収益インパクトを及ぼすわけだが、成功することは容易ものなのだろうか?と見ていて考えさせられたわけ。
アニメ制作、おもちゃの開発、CM広告、と様々なプレイヤーが結構な投資をかけている。これらが、うまく噛み合って、閾値を超えないと、子どもの世界で市民権を得ることができなく、収益効果は最大化できないわけで、その「噛み合い」というのは、簡単にできるものなのか、と統合的な事業戦略であり、それを遂行していく上でのKPI管理の観点で、とても気になった次第なわけです。
勝手な推察としては、統合的な精緻な定量指標に基づく、Go/No Goというのはしていないだろう、というもの。クロスメディア戦略でいうと、やはりピカチュウがベストプラクティスであるから、ピカチュウのプラクティスをベースとして、それをなぞる様に各プレイヤーの施策が絡み合っていかせているのでは、と思っている。経験に基づいて、みんなで信号渡れば怖くないよ!ていう風味でしょうな。広告代理店の電通が提携しているようなので、電通がラフな定量指標を共有して、全体のPMO的な位置付けで、推進しているのでしょうかね。
そんな戦略推進上の雰囲気を推察しつつも、やはり戦略立案から推進「体制」を構築するまでのタイミングは結構大変だったろうな、と思う。イナズマイレブンの時が特に。ピカチュウは、クロスメディア戦略を狙ってできたわけではなく、結果としてできたわけで。それを、イナズマイレブンでは、狙って成功させたわけですな。全体の統合的なシナリオが定性面を中心として、相当端正に練り込まれていないと、ステークホルダーたちは首を縦に振らないでしょう。ここに、レベルセブンの日野さんの凄さがあると言えるのでしょうね。他の人ではなかなかできないと思います。
クロスメディアて、定量的な相関性が、なかなか複雑で見えにくいところで、とても気になる所でした。一旦、勝手な推察として、上記の様に書いてみましたが、中身を掘っていくと、定量的な気づきがかなりあるのでは、と思いました。というGWのこどもライフの一端。