たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

段ボールの開梱に"美しさ"を宿す (ZARA)

子供服にも沢山種類があり、色々なメーカーが子供服市場で凌ぎを削っている。その中でも、個人的には、ZARAが好きだ(靴はミキハウスしか買わないけど)。ネットに掲載されているのを見て、買うケースが多い。KIDSとBABYとでセグメントは分かれるのだが、KIDSは店頭にも多くあるが、BABYを店頭に置いているお店は少ない。2-3歳の年齢なので、kIDSで合うサイズがあるのだが、BABYの方がカワイイのが多くて、よくBABYのモノをネットで買うことが多い。

しかしながら、ZARAはファーストファッションのリーディングカンパニーである。ファーストファッションは、よくマスコミ等では間違った説明がされているが、企画から製造、流通、販売のプロセスの期間が短くて、速いことからくる。売り切れ御免のファッションモノがほとんどで、品薄のモノが多い。GAPやUNIQLOと、H&M, Discover21、そしてZARAはビジネスの仕方が全く異なるのである。

と、そんなビジネスモデルの話を深堀るつもりはなくて、ZARAをネットで買物をした話である。ファーストファッションゆえ、availableなサイズは少なめなことが多い中、モノを選別し、とあるセーターとパンツを購入した。数日して、届いたモノは、なかなかの満足したものであった。しかし、そのことを書きたいのではなくて、段ボールのことを書きたいのである。

洋服を出す前の段ボール


洋服を出した後の段ボール


一目瞭然の美しさが、洋服を出した後の段ボールにあるのである。

洋服を段ボールから出す。元々段ボールにある折り目をもとに折り込むことから、段ボールを畳む段階で入れる力はゼロに等しい。そして、他の段ボールケースには、テープが貼ってあって、それをカッターか何かでカットしてから、といったケースが多いが、そのテープすら存在しない。折り畳むプロセスは固められており、かさ張ることもなくて、ゴミ出し前の収納も、ゴミ出しをする段階も、実に容易に済ませることが可能である。

以上が顧客目線からの特徴だが、ZARA目線で言えば、
- 段ボール自体において無駄がないことによる、積載効率向上による物流費減
- 段ボールのみの利用による無駄なツール(テープ等)を非利用による物流費減
- テープ等を用いない最小限の物流実現による環境負荷低減、そこからのCSR効果増
- 商品を受け取った時の上記顧客満足度向上による、リピーター増への寄与
等があり得るだろう。

これらを見ていて、思い出すのは、APPLEのパッケージング。APPLEは、顧客との接点全てに最上の経験を与えようとする。結果、パッケージングの概観、そして内部構成全てに感動的な細工をしていて、パッケージを開けた時の美しさから、APPLEの製品を買った喜びを感じさせられる、わけである。

ZARAに、そこまでの感動的な経験が内在しているかどうかは別だが、こういった取組みというのは、物流部門であったり、品質部門のボトムアップ的な取組みだけでは実現しにくいものであることから、会社ごとのトータルなエクスペリエンスデザインの考え方や品質への考え方が垣間みられるなぁ、と思えるわけで、そういった点を見つけられた会社に対しては、個人的にはかなりマインドシェアがあがるのですよね。