たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

「究極の鍛錬」から考える、正しい努力について

波頭亮さんの本と、波頭亮さんのオススメ本

波頭亮さんは、企画スタッフになった人は、まず読んだ方が良い本が何冊かあり、僕も若い時に相当お世話になったのが、こちらの本たち。 

その波頭さんの研修を受けたことのある人がいたので、色々と話を聞いてたのですが、その研修で推薦図書の一つになっていたのが、こちらで早速読んでみました。「究極の鍛錬」。

超一流になるために必要なコト

「超一流」の人材になるための思考や行動についてまとめられています。簡単にサマるとこんな感じの内容。

  • 様々な業界に超一流の人物がいるが、それらの人物の一般的な能力は驚くほど一般的な水準に留まる
  • 結局、違いを生むのは、考え抜いた努力をどれだけ行ったか、に過ぎない
  • その要素としては大きく5つ。①しばしば教師の手を借り、実績向上のため特別に考案されている、②何度も繰り返すことができる、③結果に関して継続的にフィードバックを受けることができる、④精神的にとてもつらい、⑤あまり面白くない(本より引用)

これらについて、本の中では、わかりやすい例として、ビジネス、スポーツ、音楽の世界の超一流の人物の例が紹介され、それらの例を活用しながら説明がされている。ビジネスではGEの元CEO ジャックウェルチ、スポーツではゴルフのタイガーウッズ、音楽ではモーツアルト、だ。

ジャックウェルチは、GEにキャリアのスタート時ではどこにでもいる人で特出した何かを持っている人ではなかったが、上記のような要素が盛り込まれた研鑽を積むことで世紀のCEOにまでのし上がった。このビジネスのケースは比較的わかりやすい。ビジネスは基本は大学や高校を卒業してからの話で、そこまで才能は関係ないと思いやすいからだ。

一方、スポーツや音楽は、才能、という言葉を用いるケースが多いように思う。彼は天才だ、と。しかし、この本では、タイガーウッズとモーツアルトのケースでそれらを否定していて、どちらのケースでも、非常に小さい頃から親の熱心な毎日の教育により、沢山の鍛錬を重ねて、彼らは周りの人よりも秀で、歴史的な高みに上った、という話が紹介されている

他の誰かと圧倒的に違うレベルの情報だけを目にして、その断片だけから、元から他の人とは異なる等と考えてしまいがちだが、紹介されることの少ない、その圧倒的なレベルに達するまでのプロセスに目を向けると、他の人とは段違いで努力をしていることがわかる、ということだ。

では、どのような鍛錬をすべきか、という話で先の5つの要素の話に戻るのだが、④精神的につらい、と、⑤あまり面白くない、は本人がそれらの性質に負けずに頑張るという話なので置いておくが(モチベーション管理の妙の話に通じるが)、①、②は能力開発のプログラム、③はフィードバックの話であり、ここに他にはないユニークな要素が潜んでいると考えることができる。

他のチャプタに、コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーン、というフレームワークが紹介されている。コンフォートゾーンは自分の能力をストレッチすることなく済ませられる状況、ラーニングゾーンは自分の能力をストレッチすることで済ませられる状況、パニックゾーンは自分の能力をストレッチさせても困難な状況であり、勿論、最も成長に効くのがラーニングゾーンになる。

先の①や②は、そのようなラーニングゾーンのプログラムを何度もやることで、少し前の自分にはなかった経験や能力を獲得するべく、努力する時間を費やすことを意味し、③は取組みの結果、足りない能力が何かを自分だけが気づくのではなく、上位者にフィードバックしてもらうことで、足りない能力にもれなく気づき、次の取組み機会に活かせて、そのプロセスを積み重ねることを意味しており、そこには乗数効果があり、それを継続している人と、全くしていない人とでは、非常に大きな差がでて、最終的には、彼は天才だ、と片づけたりするシーンに遭遇することになる。

このようなサイクルの取組みについて、別の問い方を使うと、正しい努力をしているか?とも言えると思う。自分が余裕でできることに沢山の時間を費やすことは、正しい努力をしているというよりかは、時間を浪費していると言えるかもしれない。自分ができなかったこと、できないことを意識して、それができるようになるために、時間を費やしているかどうか。そのように、自他の目線で自分の足りないコトを捉え、何かの新しい能力を獲得するために時間を費やすかどうか。それが、努力として大事だと思うわけです。

以上が究極の鍛錬の概要になるのですが、本の後半では、これらの原理的な考え方があった上で、どのようにすれば、そのような好循環に入ることができるか、等の考え方についてまとめられており、子供の教育というた観点からもとても興味深い内容になってます。

まとめ

この本を読んでみて、個人的には、自分が日ごろ考えていたことについて、様々なファクトを基に、整理し直してくれた感覚があります。

takeshikarei.hatenablog.com

takeshikarei.hatenablog.com

上のエントリーで書いた内容がさらに整理された感じ。ちなみに、この本には出てこないけど、イチローが世界的な超一流プレイヤーになったことも、この本で整理することができるね。もっと成長したい、超一流になりたい、そのためにどうすればよいか、と悩み考える全ての人に読んでもらいたい内容でした。

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妊娠中に、パパがケアすべきコト〔表と裏〕

"奥さんが妊娠した、妊娠している時に読んで欲しいコト"に足りないコト

少し前にこちらのエントリーを。

takeshikarei.hatenablog.com

このエントリーでは、妊婦さんの妊娠フェーズのそれぞれで、不安に感じたコトが何で、どのように解決しようとしたか、について整理して書いたわけですが、どのように奥さんをラクにできるか、何に注意すべきか、を掘り下げたいな、と思い、今回のエントリーになります。

夫の行動や言動における「うれしい」と「かなしい」

妊娠中の奥さんが捉えた、夫の行動や言動において、うれしかったコトとかなしかったコトについて、少し調べてまとめたのがこちらです。

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まず、うれしかったコトについてですが、実際の目に見える行動から、精神的心情的な振る舞いや寄り添いなどが挙がっていますが、ダントツで多いのが、「家事」についてです。要は、家事を手伝っているということです。

妊娠し、身重になったとき、言葉の通り、身体が重くなり、立ったり座ったりすることすら難しくなる中、毎日一定量片付けないといけない家事は大きな負担。その負担を解決する、夫による家事の手伝いは、奥さんへの貢献価値は大きいわけです。

一方で、かなしかったコトについては、うれしかったコトの裏返しだったりするわけですが、上のチャートを読むと結構ブルーになります。。。

これを読んだ方は、いやー、俺はこんなことは言わないし、しない。そう思っている方が多いと思います。でも、それは、本当なのか?とメタ認知高めで、自分の言動や行動を振り返ってみても良いのでは、と思います。

恐らく、大半の人は、ほとんどの状況で、こんなことは言わないし、しない、のだと思います。でも、本当に仕事が忙しくて忙しさのピークで、自分自身が非常に厳しい局面におかれたときに、相対的に局面が厳しくない奥さんに対して、本当に全く言わないのか、と。

妊娠期間は長期間に及ぶわけですから、その長い期間で平静な心持ちを維持して、奥さんとの時間が全てで適切に振る舞える、とは限らないと思うわけです。そして、そんな厳しい局面でうっかりしてしまった一言が奥さんを深く傷つけてしまった、ということもあるでしょう。

だからこそ、そんな自分の弱さがあるかもしれない、そんなダウンサイドの状況で奥さんと話す、接することをシミュレーションしておく、っていうことも大事なのかな、と思います。(この時間軸を伸ばしてダウンサイドを考慮してのケアが、"裏"だったりします。)上記のチャートの情報について、そんな意味合いで捉えて頂けると、より有効なのかな、と思いました。

おわりに

妊娠中に、パパがケアすべきコトは、ある程度具体的になったのかな、と思います。それらを前提としたときに、いかに自分自身のコンディションを良好に維持し、奥さんと生まれてくる子供に対して、より良い時間を創れるか、を考えて、行動して頂けたらと思いますが、一方で、長期戦なので、頑張りすぎないで、家族全員が無理のない日々を過ごす、を第一にして頂けたらなと思います。

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どのような言葉をかけられたいか?

最近のNews Picsのイノベーターズライフ(日経「私の履歴書」のNP版)は、糸井重里なのですが、とても興味深いです。元々、結構好きでフラグを付けている人ですが、コピーライターとほぼ日の糸井重里しか知りませんでした。一つ一つの出来事について、自分なりに考える人、という印象を持っていたのですが、なぜ、そのような人になったのか、がわかる生い立ちに関する記述が書かれています。

その連載の中で、

ことばは、おそろしい

というのがありました。彼の実体験として、継母が実父に、糸井重里について話していたことを聞いてしまったがゆえの内容でした。彼のことばが継母を傷つけ、そして、その継母のことばも彼を傷つけた、といった内容なのですが、この体験が、コピーライターになった基点であることは言うまでもないでしょう。ことばの力で、人を動かすのがコピーライターの仕事ですが、彼は、ネガティブな影響を受けたことで、ことばの力を知ったわけです。

彼ほどに、ことばの力について、強く深く受け止めた人は少ないと思うのですが、少なからず、ことばの持つ、ネガティブな力もポジティブな力についても、どちらも感じたことのある人は多いのではないでしょうか。

僕たちは、誰かと何かの意思疎通をするときには、メールでも会話でも伝達手段は色々ありますが、結局、ことばを使っているのですよね。そのことばの使い方により、相手の受け取り方は変わり、受け取り方が変わると、感情も行動も、そして、結果も変わるわけです。糸井重里のように、仕事をも規定してしまう、ということがあり得るということです。

この人は、どのような言葉をかけられたいか?

これは、とある研修を受けていた時に、とあるExecutiveが言っていたこと、として紹介されたことばなのですが、僕にはとても刺さったことばでした。

一日に、色々な人と、色々な会話をしていて、色々なことばを使っています。仕事における論理的なことばも当然あるわけですが、論理的ではなく情理的なことばが使われるオケージョンもあったりします。そして、そのような情理的なことばが使われるときにこそ、相手の感情も行動も動かし、変えたりするのですが、そのときに、相手の目線、相手の状況、情況を想像し、他でもないその相手だからこそかけられたいことばは何か、を考えて、声をかけることができたかどうか。そういったことを考え、振り返り、考えることが大事ではないか、ということを糸井重里の先の内容を読んで、改めて思ったわけでした。