この「ゼロのちから」の真のスコープとは (ALS ICE bucket challenge)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療研究支援を目的とした、起業家や企業家、芸能人やスポーツ選手等の著名人が、氷水を頭からかぶる映像が広がっている。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の認知度を上げるキャンペーン。指名された人は24時間以内に、このバケツを被るか、ALSの支援団体に100ドルを寄付しなければいけません。
数人の映像を見たのだけど、最もスゴかったのが、ヤフーの小澤隆生さんですかね。こちらに、著名人の映像が沢山載っていました。もしよろしければ、ご覧下さい。
「ゼロのちから」が大きなムーブメントを起こした
このムーブメントを見て、思い出した本があります。「ゼロのちから」という本。予算が元々少ない非営利組織だからこそできることがあって、それはお金ではないアイデアで勝負できることがあるという内容です。
このムーブメントは、この本のど真ん中の内容だと思いました。コンセプトは、以前映画にもなった、Pay Forwardの考え方なわけですが、起業家からか誰かから、わかりやすい映像放映をテコに、大きなムーブメントを創り上げることができたわけですね。
このムーブメントの真のスコープとは何か
他方で、このムーブメントを見てみて、違和感も感じました。その違和感は、複数の著名人の中にもいらっしゃったようです。
武井壮さんのコメント。結構不器用な形でメッセージされていますが、共感できます。
氷水をかぶらなかった理由は、ALSは確かに大変な難病だけど公費対象になっていること、他にも難病だけれども対象にならず苦労している方がいらっしゃること、多くの国で生活に利用できる衛生的な水が手に入らない方々がいること、以前から寄付行為は勧誘やキャンペーンで行わないと決めていたことなどです。バケツについてはこれまでとします!世界中に幸せを生めるような男になろうと努力します!!
金城武さんのコメント。素晴らしいコメントが書かれていますね。
この活動によって、多くの人がALSという難病に関心を持ちました。それはとてもいいことだと思います。でも善行が “挑戦” でないことを願います。また “いっときの流行” でないことも願います。ALSだけでなく、より多くの弱い立場の人々が支援と協力を得られますように。でももう誰も指名はしません。この動画を見た人が自発的に社会に関心を持ち、温かい行動をとってくれますように。チャレンジは必要ない。身の回りにいる助けを必要としている弱い立場の人々に、あなたの心からの思いやりが届きますように。
僕も、武井さんと金城さんと同じ印象を受けています。他にも難病が沢山あるのに、沢山の著名人があたかも難病がALSだけであるかのようにフォーカスしているのは、なんだかムーブメントや情報の扱いというものの難しさを感じさせられました。
他方で、このような武井さんや金城さんのような方々がメッセージングされることで、このようなチャリティ全般について、みんなの関心が高まるということは、良いコトだと思いました。
もし、このムーブメントを企画した人が、寄付全般の基盤向上までをも視野にいれて企画していたとしたら、すごい人だな、と勝手に思いました。僕も、より思いやりをもって生きたいと思います。