たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

メッセージで新しくする(サントリーなっちゃんのCM)

最近、松田翔太が「サントリー なっちゃん」のCMをやっている。元々は、田中麗奈が「なっちゃん」という仮想女優の成長ストーリーが始まりで、その後堀北真希等何人も同じ様な成長物語的な構成の下、CMが作られていた(7代目まで)のだが、松田翔太が出てくるっていう展開には、かなり意外感を持った人も多いのではないだろうか。え、なっちゃんなのに、なっちゃんがいない!っていう。そんなCMはこちら。

CMで着目されたのは、このコピーだ。


え、「今」ではなく、「2年前」においしくなっていたの?2年前の話を、今、大声でCMで宣伝しているのだから、意外感というか裏切られた感というか。まあ、とにかく惹き付けられてしまった、という人は少なくないのではないだろうか。

なぜ、2年前の味を今頃CMでつかっているのか?恐らくは、こんな感じの背景からなのではないだろうか。

  • 消費者テストでテイスティングをしてみて、評判が良かったのは、2年前にバージョンアップした味の要素
  • しかし、宣伝に関する定量指標を見てみると、味に関する認知度が低い
  • では、今一度、味にフォーカスしたCMをうつことで認知度を高め、購入に繋げよう
あるある、な話だと思うし、普通にアリな話だろう。コカコーラなんて、リマインド的な宣伝を継続的にうっているのだから。同じ飲料カテゴリであるサントリーなっちゃんで、近しい宣伝をしても何らおかしい話ではない。しかし、それを全面に出し過ぎな所にユニークさがある。
 
この宣伝がうたれた背景として、直近の市場調査が前述の通りあったという推察もありつつ、他方で、商品開発は継続してやっているが、大きなバージョンアップは、タイムライン的に少し先になるので、ひとまず、市場調査ベースの宣伝で購買を喚起、といった中長期的な位置付けも込みなのではないだろうか。そんな一つの打ち手にも、面白さをこめるところが、サントリー!って感じで好感が持てた、という話。