たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

ドラえもんから学ぶ絶妙な距離の想像力 (ドラえもん)

 

少し前の話。所謂知的な人と一緒に仕事をしていた時があって、論理的で構造的な思考を持っているのは勿論、科学も歴史も政治も何かもと言っても良いくらい広範で深い知識をもち、その知識を基にユニークで説得力のある意見を組み立て"続ける"人だったのですね。根本的に知的好奇心が強くて何でも理解し、得られた知識は丁寧に脳みそにストックされ、尚かつ、いつでも引き出しから出せる様な状況になっている様は、とても美しくて感動したりしたわけですね。また、話し方も整然としていて、・・・とまあ、彼の話はこの程度にしておきますが。

 

彼とは、過去1年3ヶ月程度の間、平日はほぼ一緒にいたのですが、先の通りの人なので、ランチの時ですら、油断できないトークが多かったわけです。クライアントも、around 40の脂ののった人ばかりで、技術系の人の割合も多かったせいか、ランチのときも、緩い話というよりかは、最新のテクノロジーの話をしていたわけです。

 

そんな最中、大学の学問の在り方から始まって、米の大学の研究費の大部分は国防費からでており、その資金力が日米の大学の研究の質であり、成果の違いに結びついているといいう話があったりした。で、その流れで、とある研究成果として、「ドラえもん」の「手」ができた、というトピックがでて、とても面白くて、記憶に残っている話。

 

ドラえもんの手は、球体なのだが、何でも掴むことが可能。考えてみればとても不思議な構造であり機能をしているのだが、アメリカの大学で、同様の機能を果たす手ができた、という。所謂手の部分は、通常球体で流体(確か)なのだが、モノに触れると、流体であるため変形し、モノを持った状態になる。その状態で相転移させることで、がっちりと「掴んだ」状態にできる。ということらしい。

 

そもそもは、地雷除去等の危険物を触る時に利用することを想定して開発されたわけだ(この点が、先の国防費の話と繋がったわけですね)が、「ドラえもん」の「手」に違いないよね。その研究結果を見て、ドラえもんの手にすぐに結び付けられた点も凄いことだし、そもそもその研究成果について、とある論文を見て、気づく点もすごいかな、とも思いますな。

 

しかし、ちょっと違う面から見てみると、「ドラえもん」の世界に出てくるコンテンツて、非常にクリエイティブで凄い、とも思わされるわけですね。科学技術力から絶妙な距離感の想像力、とでも言うのだろうか。そう考えたとき、逆説的に考えると、ドラえもんを読んでみると、そこに到達するための科学技術のヒントがあるかもしれない。そして、再度戻ってみると、ドラえもんを読むことが想像力への刺激的なコンセプトがあるないか、なんて思ったりしたのですよね、当時。企画屋は、ドラえもんを読もう!なのでございます。