たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

違いの根本は、使命感、なのかもしれない (「結果を出すリーダーはみな非常である」富山 和彦)

経営共創基盤の富山氏のリーダー論。この人は、ハンズオンで企業再生に携わるケースが多いことから、現場感のある現実的な論調で良いですね。上滑りしていない。会社を変えるための具体的なアプローチが詰まっているわけです。

 

加えて、この人は、なかなか知性が豊かな方なので、ビジネスだけでなく、歴史や政治等の多面的な観点から、メッセージングを導出してくるので、内容に厚みがあって、読み応えがあるわけですね。

 

そういった変革を起こすリーダーにおける現実的な要諦について、最前線の経験論を文章レベルで理解する、加えて、現実に関する多面的な分析に関する一つのアプローチを実感する、といった観点で、一読の意味があると思われる。

 

 

ただ、30-40代のミドルクラス向けに書かれているのだが、中でも、有名大学を卒業し、重厚長大企業に勤めている方々がメインターゲットになっていて、優秀なのだろうが、会社や社会を変えるために能力を使っていない/使えていない人たちの考え方を変えるための内容がかなり展開されていたりするので、個人的には今更感がある内容も多く、物足りなさも残る。

 

逆に、それが、一般的なエリートの現在の立ち位置ですか、それって、随分前から全然変わらないんですね、という時代の変わらなさにびびる、っていうのがあったりで、読んでて、ちょっと物悲しくもなりました。