たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

未来予測者の創り方

タップス社長 佐藤航陽氏の思考力には、毎回驚かされる

最近流行っていますね。メタップスの佐藤航陽氏の最新刊「お金2.0」。遅ればせながら読んでみました。

読んでみて思うのですが、この佐藤航陽氏の思考力、すごいですね。。。そういえば、前著についても、レビューを書いていましたが、この時と同じ印象を受けました。

takeshikarei.hatenablog.com

この時は、株式上場のタイミングで「世の中のみなさん、こんにちわ!」という位置づけでしたが、今回は、メタップスが推進している仮想通貨やタイムバンクのPR的な位置づけ、という感じでしょうね。

予言者のように、過去から未来を紡いでいく

本を読んでみると、予言者のように未来を語っているのですが、歴史的な出来事を紐解き深堀り、原理にまで突き詰め、その解き明かした原理を基に、バイアスを一切排除しながら、テクノロジーの進展を材料に、テクノロジーの点と点を論理と想像でつないだ線として、未来を予測していくわけですが、その思考プロセスはなかなかのものと言わざるを得ないかな、と思います。こんなことも書かれています。

モナ・リザ」を描いて芸術家として有名なレオナルドダヴィンチは、音楽、建築、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、地質学、地理学、物理学、光学、力学、土木工学など様々な分野で類い稀な才能を発揮し、あまりにもなんでもできるので「万能人」と呼ばれていました。ただ、私は彼が多才であったかという点では違う考え方を持っています。それは、ダヴィンチは「全て同じものに見えていたのではないか」という仮説です。

原理的に考える、ということに通じた話かと思いますが、このように仮説立てする目線もなかなかですね。

なお、本の具体的な中身としては、ブロックチェーンや仮想通貨や分散経済、ポスト資本主義としての価値主義など、直近で世間を賑わせているバズワードや、彼が創り出したワードであり概念について、説き明かしていっているのですが、とてもふむふむでした。詳細は本を読んで頂ければと思います。今起こっていることや、今後起こるかもしれないことの全体やその関係を俯瞰的に理解する上で、とても良い本だと思います。

未来予測者の創り方

一方で、個人的に考えてしまうのは、佐藤航陽氏は、なぜ、このようなレベルで思考ができるようになったのか、という点です。実は、本中にヒントがあります。

思い出してみると、この12年間、私はずっと同じことを繰り返してきました。何かの疑問が浮かんだら、それに関する情報をかき集めて読み漁り、自分なりの仮説を立てて、試してみる。そうすると次の疑問が浮かんできて、同じようなことを毎週繰り返していく。休日に情報を整理し仮説を組み立てて、平日は実務を回しながら検証を行い、また休日には平日に得た結果を元に次の疑問と次の仮説に繋げていく。

なるほど、と。ビジネスにおける仮説と検証、それは彼にとっては、社会、世界の変化に関する仮説と検証でもあるわけですが、それを高速で繰り返すことで、この本に表されるまでのレベルになった、と。勿論、そこに掛け算で効く、疑問を持つ力、それは、好奇心とも言い換えることができるかもしれません、の強さも大きく寄与していると思いますが、そのような行動習慣の継続が成したのかな、と。

日々のビジネスや生活において浮かんでくる疑問は実は結構多いと思います。その疑問を素通りせずに、いちいち、調べてみて考え、それらを抽象化しつつ、仮説を立て、実際に現実で検証してみる。そのような行動プロセスを、愚直に毎日や毎週を繰り返す人は、かなり少ないと思いますが、それを繰り返していくと、未来がどこまで予測できるようになるかはわかりませんが、かなりの知性を得られるようになるかな、と。

ということで、色々受け取れる本かなと思いますので、ぜひ読んでみてください~