絵本とクリエイティブシンキング (「りんごかもしれない」ヨシタケシンスケ)
この「りんごかもしれない」は、超ハイレイティング!絵本として成立しているんだけど、絵本という範疇を超えた、大人も確実に楽しめる本になってますね。腹を抱えてわらいつつ、途中から感心しつつ、最終的には、なんだか安心しました。だまされたと思って、手に取って欲しいレベル。
クリエイティブシンキングによって書かれた絵本?!
クリエイティブシンキングて、思考の方法論みたいなのがありますよね。
ある程度の経験を積んでいくと、パターン認識が蓄積されてくるので、例えば、りんご、を見ると、りんごがある、と認識して終わり。または、りんごの中でも、赤さの違いに気づいたり、大きさなり、元々あるりんごのパターンから、色々な分析はしたりすると思います。所謂、Apple to Appleの分析てヤツです。
この考え方って、論理的に物事を積み上げていく、という文脈では、とても有効なのですが、りんご、から何か新しい物事を考えたり、生み出したりするという文脈では、有効ではないアプローチだと思うのですね。
といったときに、所謂クリエイティブシンキングが必要になってくるのですが、クリエイティブシンキングて何?と考えたとき、端的に書いてみると、ある物事に対して、ゼロベースで多面的に見て、新しい何かを発想すること、と言えると思います。りんごから、りんごではない何か、を考え出していくわけです。
クリエイティブシンキングについては、色々な本が出ていて、読んだのですが、やはり結局、今までの常識とかを取っ払って、頭を柔らかくして、自由に発想するわけなのですが、定石の様なアプローチが幾つかあって、そのアプローチもかなり適用されているよね、「りんごかもしれない」の本て。と読んでて思ったのですよね。ネタばれすると面白くないので、これ以上書けないのですが。
芸術とクリエイティブシンキングと絵本
そんなことを考えていたものだから、この本を書いている人って、誰?と気になったのですが、調べてみるとこんな方でした。
- ヨシタケシンスケさん
- 1973年神奈川県生まれ
- 筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了
- 日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取ったスケッチ集や、児童書の挿絵、装画、広告美術など、多岐にわたり作品を発表
うん、あまり情報がなかった(汗。でも、筑波大学の大学院まで言って、芸術の総合造形コースを修了というのは、納得ですね。クリエイティブシンキングて、クリエイティブと付いているだけあって、物事を色々な切り口で切り取って、形にする芸術家の方々の思考パターンに近しいと思うからです。ふむふむ、という感じ。
実は、2013年MOE絵本屋さん大賞 受賞
ということで、色々書きましたが、冒頭にも書いた通り、素で読んでも、腹を抱えて笑える、面白い本。絵もゆるくて、かわいくて、いやされます。子供がいらっしゃる方でもそうでない方でもとても楽しめると思いますね。ちなみに、2013年のMOE絵本屋さん大賞も受賞されてます。是非〜