たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

メガネ × マーケティング (JINS)

買物をしていたら、こんな広告を発見。非常にわかりやすいコミュニケーション。JINSのHPにはクリエイティブディレクターの佐藤可士和が出ているので、この広告も、佐藤可士和の作品だろうか。このメガネの機能と享受できるベネフィットが実にわかりやすく表現されている。

 

 

このメガネは花粉を最大93%カットするのだとか。そもそも普通のメガネではどれくらいの花粉カットの効果があって、JINSの眼鏡との違いはどの程度か?というのが気になるところだが、一応こちらで検証がされている。科学的な根拠と数字(カットできる理由や、数値の測定方法など)が曖昧なので、いまいち腑に落ちないのだけど。

 

 

さて、JINSの業績だが、最近の成長は著しい。売上前年同月比を既存店ベースでみてみると、こんな感じになっている。

  • 2012年9月:154.8%
  • 同10月:117.8%
  • 同11月:168.3%
  • 同12月:169.8%

これらの好業績を牽引しているのは、JINS PCだ。PCやスマホなどのデジタルディスプレイが発光するブルーライトを防ぐ機能を有するメガネ。PCを一時間以上する人は、この眼鏡をかけることで、目の疲れを予防することができますよ、とのこと。

 

通常のメガネは、視力が悪い人が対象であり、視力を補強する機能を有するレンズのメガネを提供することが基本的な価値であり、加えて、オシャレな眼鏡であったり、利便性の高さ(軽い)などの付加価値を提供している。

 

しかし、JINS PCは、視力が悪い人がターゲット顧客ではない。PC等で目が疲れている人がターゲット顧客なのである。視力が悪くなくても、このメガネを買って良いのである。彼らが対象とする「PCを一時間以上する人」なんて、仕事をする人はほとんどだし、学生の多くが当てはまる。スマホも加えるとなると更に対象人数が増える。

 

通常のメガネとは違うのである。メガネの位置付けを再定義して市場を創っている。先の花粉症カットのメガネも同様。目が悪い人ではなく、花粉症で困っている人をターゲット顧客とすることで、メガネの位置付けを再定義している。

 

 

 

元々、ワンピースとのコラボモデル等の提携型、オシャレ×安価なモデルといったカスタマーイン型、加えて、Air Frame等のプロダクト機能へのフォーカス型などなど、元々マーケティング力を活かした商品展開をしていたのだけど、先のリポジショニングな商品展開は鮮やかだったかな、と思う。

 

直近の動きを考えてみると、JINS PCは、競合も沢山出てくるのだろうが、市場自体が高い成長性を続けて行くだろう中で、先行者利益は多大だろう。花粉症カットの メガネは、先の93%という数字ではなく実感値として花粉症対策の効果があるかどうか。使い手がちゃんと効果を感じれるようならば、口コミで一気に広がり、春先にかけて、爆発的に売上を伸ばして行くのだろう。

 

まー、この会社は顧客視点というモノをちゃんと理解して、おさえている。私は目の疲れもそうなのだけど、目のクマが最も気になっているのだが、JINSのHPを見てみたら、「女性の美容と健康を考えるクマ研究所」なるモノもあったりする。なかなかベンチマークするのが面白い会社のようですな。