消費者を動かすアイデアの出し方
USJをV字回復させた人のアイディエーションの本
少し前にこちらを紹介しました。
USJをV字回復させた、P&G出身の方々の本で、とても面白かったのですが、三部作ということで、他の二冊がこちら。
「USJを劇的に変えた・・・」の方はマーケティングのフレームワーク等に関する本で、今回紹介する「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」は、アイディエーションに関する本です。
定量的な分析を掘り下げ積みあげることでできるマーケティング戦略ができたとしても、それは紙の中のお話に過ぎず、最終的には、人の感情や行動を動かすアイデアが必要なわけで、それが、マーケティングの面白さでもあったりすると思うのですが、そのエッセンスが詰まった本かな、と思います。
前回エントリーを読んで頂いた方はお分かりの通り、著者はバッキバキの左脳思考の方なので、そんな左脳思考の方には、ぜひ読んで頂きたい本かな、と思います。
アイデアを出すために必要な構造
さて、そのアイディエーションの方法論についてなのですが、まず構造があります。
本中の具体例を引用すると、こんな感じです。
分析し整理することで、1、2を導出することも大事なのですが、それらを本当に実現するための3のフェーズが難しい。だって、相手は一人ひとり異なる生身の人間ですからね。
アイデアを出すために必要な習慣
そこで、本書では、こちらが紹介されています。
観点として、消費者理解、の重要性にフォーカスし、具体的な行動として、実際に自分でやることと、探す、ことを説いています。とても大事な行動習慣かな、と思います。
よく事業企画やマーケティングを担当しているので、商品やサービスを自分では使っていない人がいたりしますが、ちょっとあり得ない、わけです。消費者のことを知りわかり、自分自身も消費者に実際になってみよう、ということ。
これを徹底できるかどうかが分岐かな、と思います。やはり、徹底している人は少ないです。
気がつかないことは考えられない
加えて、これらの根底にあるのが、こちら。
気がつかないことは考えられない
自分自身でやってみても、色々な文献やら何やらを読んでみたとしても、消費者を動かす何かに気づかなければ、考えつくことはできない、ということです。これが、最もクリティカルかもしれません。同じ現象を目にしたり、同じ体験をしたとしても、何かに気づく人と、何にも気づかない人がいる、そして、その結果、何かのプランを考えられる人もいれば、考えられない人もいる、ということ。
もう少し掘り下げると、例えば、何か心が動いたとき、なぜ、心が動いたのか?他と何が違うのか?などについて敏感になると同時に、言語化できるかどうかが大事なのかな、とか思ったりします。先のエントリーにも書いたように、言語化できないとプランにはならないのですが、そんな言葉の断片を材料化しておくことが大事なのかな、と思ったりします。このような習慣についても、毎日積み重ねることで、気づく量が増えていき、面白いことを考えられる人とそうでない人を分けるのかな、と思います。
おわりに
前の本も面白かったのですが、この本も実に面白かったです。その方法論のエッセンスが面白いというのもあるのですが、マーケターてヤツが面白いのかなとも思ったりします。ぜひ、こちらの本もご一読して頂ければと思います!