たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

顧客にとって「絶対的によいこと」を追求することに集中する(「売る力」鈴木敏文)

セブンイレブン、て好きなのですよね。ちょっと前はローソンの方がいいかもとか思っていたけど、今は、セブンイレブンがダントツに好きですね。なぜ、好きなのかと考えてみると、価格を遥かに超える魅力を有する商品、店舗も商品も整然と統合されたデザイン、店員のクオリティ、と色々あるな、と思う。

この本は、セブンイレブンの強さの理由について、事実上の創業者であり、現在のCEOである鈴木敏文さんが「売る力」という観点で説明がなされている。本を読んでみると、経済心理学であるとか、マーケティングであるとか、先にも書いた様な商品開発力であるとか、ブランディングとか、そして、その背景にある、仮説・検証をし、考え続ける力とか、掘ろうとすれば惚れる要素が詰まりに詰まっている。鈴木敏文さんの本を読んだのは、実は初めてなのだけど、鈴木敏文さんであり、セブンイレブンの凄さがわかる。

そんな中、本当に大事なのは、根源的な信念であり、思考原理の部分だと思った。

  • お客様にとっての「あるべき姿」をひたすら追求する
  • ひたすら目の前の顧客ニーズの変化と向き合い、「絶対的によいこと」を追求する
  • そのために、お客様の「ために」ではなく、すべてをお客様の「立場で」考える

3Cというフレームワークがある。Company(自社), Competitor(競合), Csutomer(顧客)の観点で、事業を分析した上で、事業戦略を考えるという意味合いのフレームワークだ。

しかし、この本では、競合店を視察に行くな、であるとか、自社のケーパビリティや制約条件で考えることで諦めてはいけない、等と触れている。つまり、Customerが絶対的に大事な要素であり、最優先事項である、としている。

顧客を最も大事にして、「絶対的によいこと」「あるべき姿」を追求すること。当たり前のことだと思うが、様々なノイズが入って、集中できているケースは実は限りなく少ない。その思考・行動原理を当たり前のものとしていることが、先の様な強みを創るアプローチを数多く実施し、結実しているのかな、と思った。

そんなことを考えながら読んでいたら、APPLEのデザイン上級副社長のジョナサン・アイブのことを思い出した。鈴木敏文さんと同じことを考えているよね。

  • Most of our competitors are interested in doing something different, or want to appear new — I think those are completely the wrong goals. A product has to be genuinely better. This requires real discipline, and that’s what drives us — a sincere, genuine appetite to do something that is better.

顧客の「絶対的によいこと」の追求に集中することこそが、他とは圧倒的に卓越したポジションを築く最良の方法なのだと思ったわけです。