仕事で人を感動させたい (「人を感動させる仕事」前刀 禎明)
著者である前刀 禎明氏は、なんだか自分に似ている人なのだろうな、と勝手に思っていた。SONY -> Bain -> Disney -> AOL -> 起業 -> Apple -> 起業、といった経歴なんだけど、転職の多さと、各企業の種類であったり尖り具合はかなり似通っている。
そして、マーケティング思考であり、Business Developmentを生業としているトコロ。勿論、私の方はまだまだ未熟なのだが、仕事に対する価値観や、仕事で実現したいことが近しいのだろうな、と思っていた。
で、このタイトルの本。「人を感動させる仕事」。私も、いつからか、仕事を通じて、人を感動させたいと思う様になって、仕事をするようになっていたので、この本を目にしたとき、即購入、となったわけです。
前作の「僕は、誰の真似もしない」のように、この本全体を通じて、自分の言葉を使って、メッセージングされていて、かつ、自分の経験に基づいて得られた気づきが語られていて、とても印象深い内容が多かった。
幾つか印象に残ったトコロを残しておこうと思う。
- 「見る」「視る」「観る」「俯瞰してみる」
- 「見る」は、漠然と視野に入っている。「視る」は、「何だろう」という気づきも含めてみている。「観る」は、徹底的に観察する。「俯瞰してみる」は、客観的に冷静にあらゆる角度からみる
- 局面や対象によって、「みる」を使い分けることで、価値のある洞察を得ることができるだろう。ベースとしては、問題意識を常に持つことで、「視る」や「観る」量を増やすことが大事。加えて、「おや」「なぜ」というような直感的な疑問を大事にすることも重要
- 必ず自分が「体験」する
- 五感で感じ取って、感じたことを記憶に留めて、引き出しに入れる
- 五感というのが大事で。歩きながらiPodを聞くと感覚をフルに使えなくなるので、やめるべき
- やはり、「体験」することが大事なのだと思う。「体験」するのと、しないのとでは気づきの量が格段に異なる。しかし、「体験」しないで済ますことは結構多い。ちょっと心が動いたような対象物に対して、「体験」していれば、もっとリアリティのある気づきを得ることができるというのに、時間や金か何かのなんかしら言い訳をして「体験」しない。これは、とてももったいないことなので、どんどん「体験」していきたい、と思う
- ライバルは、SONYの盛田昭夫、井深大、ウォルトディズニー、スティーブジョブズ
- 簡単には辿り着けないレベルにいる人たちをライバルにおいて、彼らを意識しながら仕事をし、発憤材料にする
- 先に書いてあるような人たちは、ライバルというよりかは、憧れにする人が多いと思うけど、そこが違うトコロ
- 妥協せず最高を追求する
- 世界を人を動かすために、三つの要素をあげている
- 情熱とビジョンを持つ
- 妥協せず最高を追求する
- 自分の体験を信じる
- この二つ目の妥協せず最高を追求するの文脈であげていた、Appleのデザイン担当役員のジョナサンアイブの言葉は真なり
- Most of our competitors are interested in doing something different, or want to appear new — I think those are completely the wrong goals. A product has to be genuinely better. This requires real discipline, and that’s what drives us — a sincere, genuine appetite to do something that is better.
- 誰かを意識し過ぎではいけなくて、最高とは他に惑わされることのない真実のことなのかもしれなくて、それを常に現状を否定して追求していくことなのかもしれない
- 常に情熱を燃やせること