たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

ムダをなくすよ、渋滞学(「シゴトの渋滞学」西成 活裕)

結構前のことだが、日経ビジネスの人物特集で、「渋滞学」について研究している東大教授がいた。航空宇宙学か何かを元々研究していたが、最終的に行き着いたのが、渋滞学とのことで、年間10兆円以上の社会価値損失を生んでいる交通領域の課題を解決しようとしているという話であったと記憶している。

 

で、最近、本屋で目に入ったのが、こちら。渋滞の現象とその要因や解決のアプローチは、交通に限った話ではなく、個人個人の仕事であり、会社や経営にも応用が利くよ、という話。なんでも東大の改革に関しても、渋滞学の観点からアプローチをしているとのこと。

 

 

渋滞学の流れで出てくるのが、トヨタのカンバン方式。この周辺の話は、ムラ、ムリ、ムダ、をなくせ、という話とか、それなりに知っていると思っていたのだが、どうも明確に理解していなかった模様。

  • ムラがあるからムリをする。ムリをするからムダになる

ムラとムリとムダに関する腑に落ちる関係性。だから、ムラをなくすような標準的なプロセスや行動習慣を磨いて時間の過ごし方とアウトプットのベースラインを上ることで、ムリをなくせて重要なんだね、という、なんだか色々が繋がった感があったり。

 

また、渋滞学のキーポイント二つが、なかなか良いと思った。

  • 未来を予測しておくこと
  • かならず予定を踏まえて進めること

自動車の運転が上手なドライバーは、結構先の車までの状況を見た上で、アクセルやブレーキを踏むため、運転のペースは安定していて、渋滞は起きにくい。

 

他方で、仕事でも、先を見据えて計画的(この部分は、他に数点参考になるトピックスがありました)に仕事をこなすことで、余計なブレーキやアクセルがなく、周囲も含めて、安定した仕事、アウトプットを出すことにつながるよね、という話。

 

本書は、基本的には、渋滞学を軸とした話にしようとしているが、スピンオフ的に、筆者の仕事観や行動習慣等がポロポロ展開されていて、参考になる点も多かったですね。