たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

強い者に真っ正面から立ち向かう(「半沢直樹」TBS)

今クールのドラマの中では、TBSの「半沢直樹」が最も面白い。全体ストーリーは、こちらをご覧頂ければと思うが、何が面白いか?を一言で言うと、

 

強い者に、真っ正面から、堂々と勝負を挑んでいく様が、清々しい

 

という点に尽きるだろう。主人公の銀行員は、行内の権力闘争の中で、上司のミスを全てなすり付けられる中で、そのミスをチャラにするべく、上下関係が厳しい銀行の中で、本社や上司らと真っ正面から堂々と戦っていく。サラリーマンであるならば、仕方ない、と諦めてしまいがちな局面で、絶対に勝つという意思を持って突き進んでいる所に、感情移入する人は多いでしょう。

 

日曜21時から、このドラマを放送しているのは、日本のサラリーマンに向けた応援、といった位置付け。月曜から再び営業日が始まるサラリーマンが多い中で、ドラマの主人公の様にとまでは言わないまでも、厳しい局面でも頑張って、という応援メッセージが、このドラマに込められているのであろう。

 

原作は、直木賞作家の池井戸潤のこちらの本。

 

 

 

さてさて、このドラマは面白い。厳しい局面にさらされては、真っ正面から立ち向かい、一矢報いはするのだけど、そうそううまくはいかないのがリアリティ。当然打ちのめされたりするのだが、そこで諦めない姿勢が一貫しているのが主人公であり、このドラマの中心的なエッセンスなわけです。

 

これまで、二回見てみて思うトコロ。先述の通り面白いのだけど、先の構成がワンパターンになると面白さは半減する。ワンパターンな水戸黄門的な楽しさでも、それはそれで良いのだけどれども、飽きがこない工夫が必要。

 

ストーリーの根幹には、主人公の幼年期の原体験があり、父親の会社が銀行員の貸し渋り不良債権回収のあおりで追いつめられ、自殺するという話があり、それが基点となって、主人公がその当該銀行の行員になり、逆に、銀行を変える、自分が思う様な銀行、社会的な役割に変えたいという野心を持っている(原作を読んでいないのだけど)部分がある。

 

恐らく、父親を自殺に追いやった銀行員が、現在は表裏で銀行を牛耳る常務取締役の香川照之なのだろうが、その香川照之との闘いの距離感や時間感覚の持たせ方が、ドラマをいかに面白くするかのキーファクターなのだろうな、と。ここの創り込み方が要注目ですな。

 

あと、主人公の堺雅人が良いですね。「リーガルハイ」くらいの時から、型が破れた感がありますな。かつては、にこやかな笑顔とセットで温厚な脇役をしている姿しか記憶にないのだけど、「リーガルハイ」から、役の触れ幅が広がって、実に面白くて魅力的になってます。彼が、この役を演じているのも、このドラマが受け入れられている要因の一つだろう。