たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

本質とは、変わらないモノのことを言う (「失敗の本質」野中郁次郎ら)

第二次世界大戦の敗戦要因の分析、及びリーダーシップにフォーカスした分析の二冊。

 

  

これらの本を読んでみると、組織として、競争環境下で、目的を達成する上で、障壁となること、そして、その中で必要となる要素、というのは、戦争も、企業競争も変わらないということがわかる。失敗の本質、というモノ。

失敗の本質を浮き彫りにする為に、第二次世界大戦の史実を丁寧に分析し、まとめあげたのが先の二冊であり、特に、「戦場のリーダーシップ編」は、現代の企業競争の文脈にも当てはめやすく、示唆に富んでいる内容となっている。

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少々唐突だが、一部の特出しとして、「戦場のリーダーシップ編」の冒頭にあるフロネティックリーダーと戦略に関する記載を以下に抜粋する。

  • 個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断をすばやく下しつつ、みずからも的確な行動をとることができる「実践知」のことをフロネシスという。そうした知を備えたリーダーがフロネティックリーダーだ。
  • 戦略の構想力とその実行力は、日常の知的パフォーマンスとしての賢慮の蓄積とその持続的錬磨に依存するのである。戦略は、すべて分析的な言語で語れて結論が出る様な静的でメカニカルなものではない。究極にあるのは、事象の細部と全体、コンテクスト依存とコンテクスト自由、主観と客観に向かって実践的知恵である。それは、存在論(何のために存在するのか)と認識論(どう知るのか)、あるいは理想主義とプラグマティズムを、実践においてダイナミックに綜合する賢慮そのものであろう。戦略の本質は、存在をかけた「義」の実現に向けて、コンテクストに応じた知的パフォーマンスを演ずる、自立分散的な賢慮型リーダーシップの体系を創造することである


戦略やリーダーシップの話は、そこら中に溢れているわけだが、上滑りしている内容のモノが多い。はて、戦略とはXXX、で、それは自分たちの目的を達成するのに本当に充足したモノなのだろうか、と。しかし、上記の内容は、一面的な定義に留まらない実践的な内容になっている、ということで、ちょっとひっかかったためですね。なかなか良いことが書かれています。