たけしの華麗なる消費生活

消費したモノ・コトについて、書いています。

骨太なメッセージを創る(アサヒ16茶のCM)

新垣結衣のボブがかわいい。これほどボブが似合う人がいるのだろうか?と真剣に考えさせられる程のかわいさだ。CM等で出くわすと時間が止まるんだよなー。んー、まいったまいった。

と、いきなり脱線から入ってみました。新垣結衣も色々とCMをやっているわけですが、今回は、アサヒ16茶のCMの話。最近変わりました。新垣結衣が、子供たちと一緒に16茶を飲んで、踊っているCMに。まずは、こちらを見てみてみてください。


メインメッセージが、「まっすぐしみこむ元気ブレンド」となりました。古くは、16茶の成分を全面に出して、身体に良いよ、というメッセージだったり、朝に飲むと良いよ、等のメッセージがあったのですが、前述のように変わったわけです。

コミュニケーションにおけるメッセージは、誰に、何を、言うかが最重要であり、ここがしっかりとしていないと誰にも何も伝わらない、そして売れない宣伝になります。今回は、その両者を明確に変えた形になります。

  • 誰に:子供
  • 何を:元気さ(≒健康)

これらの背景としてあるのが、CM中でも訴求されている機能である、「ノンカフェイン」という部分です。カフェインのデメリットとしては、主にこんな要素があるようです。

  • 不眠
  • 興奮状態が続く
  • 落ち着きがない
カフェインの分解能力が弱い子供には、これらの影響を顕著に受けることが科学的に言われているようです。これは、子供だけでなく、妊婦や授乳中の母親にも同様のことが言え、これらのセグメントの人たちにはカフェインをとらないようにする人がとても多いというのが一般的です。
 
実は、私の家もまだ小さい子供がいるので、ノンカフェイン飲料を意識的に選択して、飲んでいます。しかし、ノンカフェイン飲料は少ないのですよね。お茶、紅茶、コーヒー等、基本的にカフェインが含まれています。そういったわけで、私自身、ノンカフェインである16茶をバルクで買っていたので、このCMを見て、おぉ、16茶もやっとそんなコミュニケーションをとるようになったか、と思ったわけです。
 
ということで、先に、このメッセージの対象を、子供と書きましたが、実際には、このようなカスタマーセグメントが対象になるでしょう。
  • 間接的ターゲット(16茶を買わないけど、飲む人)
    • 一桁歳程度の子供
  • 直接的ターゲット(16茶を買う人)
    • 一桁歳程度の子供を持つ親
    • 授乳中赤子を持つ親
    • 妊婦
最初、小さな子供とその親をターゲットセグメントにすると、スコープは狭いのかな、という印象を受けるかもしれませんが、厚生労働省の発表数値によると、平成21年度の出生数は約107万人。一桁歳程度の子供と妊婦の人数は、ざっと1,000万人程度が最大数と考えていいでしょうか。
 
そういったターゲットセグメントを前提としたとき、ノンカフェインの競合製品があまりないことを考えると、冒頭のようなノンカフェインを通じた、元気ブレンド、の訴求による購買喚起は、かなり強いメッセージングになり、数字に結びつきやすい打ち手なのかもしれませんな、と思ったわけですね。